子どもがプレーを「自ら決断する」意味。パルメイラスU11監督が語る指導の本質【6・7月特集】
2018年07月25日
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全員がチームとしてプレーできるポジションを認識できることが重要
――日本では、Jクラブを含めてプレーモデルがないと言われています。ブラジルでは、育成年代から「チームとしてどう戦うのか」というのを指導しているのですか?
「パルメイラスに関しては、一番上のトップチームの理念に則しています。常に主導権を握って、相手の陣地でプレーするということ。その理念のもと、全カテゴリーのコーチングスタッフが所属選手たちの特性に合わせてパルメイラスの理念の本質を捉えてオーガナイズしています。今大会に出場しているU-11も同じです」
――現在、U11年代はチームとしてどういう部分を大切にトレーニングしていますか?
「重要なファクターとしては『自ら決断させる』ということです。何よりも試合を怖がらずに思い切ったプレーをさせる。その中でクリエイティブに自分の発想をどんどん出させることが重要です。試合の強度を高めるために普段の練習から守備も含めてアプローチをしています」
――思い切ってプレーするためには、試合を壊さないために失点をしないことは重要です。そうすると、全員が守備に対しても意識を高く持つことは必要なことです。
「パルメイラスに入ってくる選手たちは、私たちがスカウティングしてクラブのスタイルに合った選手をセレクトしています。では、具体的には何なのか。それはDFの選手も守備だけでなく、相手の陣地で主導権を握ってプレーすることが実行できなければいけません。パルメイラスはビッグクラブなので、どうしても対戦相手がブロックを敷いて引いて守るケースが多いです。守備へのアプローチも大事ですが、 守備の選手も主導権を握ったプレーをできなければなりません。だから、『奪われた瞬間に、どう奪い返しに行くのか』ということについてはしっかり指導しています。
世界共通だと思いますが、 ポジショニングが大事になります。ボールホルダーに対してどういう状況なのか、自分が行けるのか行けないのか、 体の向きはどうなんだ、相手はどっちの足でボールを持っているのか…守備のところでは、そういう情報を瞬時に見て判断できるように言葉を投げかけています。でも、 この部分を理解するようになるには非常に時間がかかります。私たちは『どういう状況での守備なのか』ということは口酸っぱく問いかけ続けています」。
――予選からずっと試合を見ていましたが、ボールサイドから遠い選手に対する指示が多かったです。
「試合中の指示に関しては、選手たちがその時々でその状況に気づくのが遅かった。私たちは常にボールがあるサイドに対して数的優位を作るという状況をベースにしているので、逆に遠いサイドの選手たちのポジションが重要になります。
今大会の選手たちはその部分が勉強不足だったので「このラインまで上げる」とか「このポジションまで絞る」とか、そういう具体的なことを指示しました。でも、本来は彼ら自身が気づき、そういうポジションを取るべきです。チーム全体のバランスに対して「自分はどうすべきなのか」を自らで考えなければなりません。試合に集中し、熱くなっている中で冷静に判断を下せなければなりませんが、今大会の選手についてはそこまでのレベルに至っていません」
――そういう視点で日本の選手に目を向けると「ボールサイドから離れるほどプレーに関わりを持たない選手が多い」と感じます。そこが差だとも思うのですが、率直にどうでしょうか?
「日本のチームは全体的な傾向として『ポゼッション』を大事にサッカーをしているようです。だから、ボールを持っている時はワイドに広がってプレーできているようです。でも、ボールがない『オフの状態』のプレーの関わり方、その部分での判断が少し足りていない部分があるのかもしれません。
では、ブラジルではどうかというと繰り返しなりますが、 ボールを保持しているのかそうではないのかで『どのポジションが次のアクションを起こすためにベストなポジションなのか』というアプローチをします。それは選手が気づかなければなりませんし、未熟な場合は指導者が言う場合もあります。そして、練習メニューに落とし込んで理解させる場合だってあります。
攻撃時も『全部がワイドに広がればいいか』と言われるとそうではありません。今大会、私たちパルメイラスはフィジカルで劣る選手が多かったのでロングボールでの大きな展開は臨めません。そうすると試合の流れを見た中で大きな展開しなくても自分たちのできるプレーでどうすべきかということを考えることが重要です。
だから、日本の指導者の方々も『選手がどういう特徴があるのかというのを踏まえてチームとしてどうプレーするのか』という部分はもっと突き詰めるべきことがあるのかもしれません」
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