一人ひとりを見ること。Jクラブの育成組織と渡り合うFC多摩から学ぶ個の育成術
2015年06月08日
コラムこれから先、日本のサッカーがさらに発展していくうえで欠かせない「グラスルーツの推進」。グラスルーツを推進していくうえで大きな役割を担う“町クラブ”の在り方。今回は、Jクラブの育成組織とも互角に戦うことができる強豪町クラブ・FC多摩の指導法をひとつの例として紹介する。
(取材・構成・文・写真●高橋大地/ジュニサカ編集部)
地域のサッカー熱を上げていきたいという思いが始まり
「監督こんにちは! コーチこんにちは!」
取材当日はジュニアからジュニアユースの全カテゴリーが同じグラウンドで練習。多摩市立和田中学校に集まってきたFC多摩の選手たちは、練習が始まる前にそれぞれ監督やコーチたちのもとにやってきて挨拶をしていた。
「挨拶は基本的なところなので普段からしっかりやろうと言っています。指導者の立場としては、積極的にコミュニケーションを取れる場とも考えています」
そう教えてくれた平林清志監督が率いるFC多摩は、ジュニア・ジュニアユース合わせて162人の部員を抱え、ジュニアユースは日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会に2度出場している東京屈指の強豪町クラブ。
「僕がFC多摩(ジュニアユース)を創設したときは、多摩市にジュニアユースのチームがなかったんですよね。中学校のサッカー部もあまり一生懸命やってないところが多くて、ジュニアユースになると宙ぶらりんになってしまう選手が多かったんです。当時はムスタングという諏訪地域(多摩市)を中心に活動しているチームと多摩市の選抜チーム(いずれもジュニア)を見ていたので、そのまま上のカテゴリーに上がってもしっかり育てていきたいというのが最初でした。
そういう経緯もあり、むかしは多摩市内の子がチームに多かったのですが、徐々にチームとして実績を残してきたことによって稲城市や八王子市、川崎市などからFC多摩を選んで来てくれる選手も増えてきて。そうなると多摩市出身以外の子のほうがレベルも高く、多摩市の子がしだいに来なくなってしまったんです」
そんな状況を鑑みて、2014年にはジュニアカテゴリーも創設した平林監督。
「もともとは多摩市のサッカーを盛り上げたいという気持ちでFC多摩を創設したので、多摩市出身の子が半分以上は在籍していてほしいという思いがありました。それを考えたときジュニア年代からやり直していかないと、多摩市の子のベースアップにはつながらないのではないかと考え、3、4年前から多摩市のサッカー協会に申し立てをしていました。
当時は様子を見ましょうということになっていたんですが、(4種の)ブロック編成があったことにより、11ブロックが多摩市、町田市、稲城市が同じブロックになりました。その影響を受けて多摩市の協会から応援を受ける形でジュニアも創設した、という経緯です」
カテゴリ別新着記事
ニュース
- フットサル日本女子代表候補、国内トレーニングキャンプ参加メンバー発表!2024.11.27
- 「2024ナショナルトレセンU-14(後期)」参加メンバー発表!2024.11.14
- 「Jヴィレッジチャレンジ 2024 powered by シント=トロイデンVV」が開催!2024.11.14
- U-19日本代表、メキシコ遠征参加メンバー発表。湘南ベルマーレ・石井久継も選出で10番を背負う!2024.11.08
フットボール最新ニュース
- 近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.04.24
- 「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.04.24
- 【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.04.24
- リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.04.24
- 前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.04.24
大会情報
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 大阪大会】フォトギャラリー2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2024.03.09
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 愛知大会】フォトギャラリー2024.03.09
お知らせ
人気記事ランキング
- 「2024ナショナルトレセンU-14(後期)」参加メンバー発表!
- かつて“怪物”と呼ばれた少年。耳を傾けたい先人の言葉
- 「2023ナショナルトレセンU-13(後期)」参加メンバー発表!【東日本】
- 関東選抜メンバー発表!【関東トレセン交流戦U-15】
- 「FIFA×JFA ストライカー&ゴールキーパーキャンプ」参加メンバー発表!
- 1対1(4フリーマン)
- 【第37回全日本少年サッカー大会】大阪府大会 決勝レポート「大阪市ジュネッスが初優勝を飾る!」
- 2014年度ナショナルトレセンU-14 開催概要および参加メンバー発表
- 2015年度 ナショナルトレセンU-12関東(1/8-11開催)の参加メンバーが発表!!
- ヴァンフォーレ甲府U-12が好敵手・Uスポーツから王座奪還。2年ぶり3回目の山梨県代表に/第40回全日本少年サッカー大会 山梨県大会