「ジュニア年代から育てるのが育成の基本」。湘南ベルマーレが掲げるクラブの“アイデンティティー”。【短期連載】
2018年03月22日
コラム強化特待クラスからジュニアユースへと続く仕組み

――強化特待クラスの選手たちはそれぞれに所属するクラブがありますが、湘南ベルマーレのチームとして試合に出場しようと考えていたのでしょうか?
浮嶋「湘南ベルマーレはもともとジュニアチームを持っていました。しかし紆余曲折があり、2011年にスクールだけにしました。ただ地元のプロクラブとして選手の一貫指導を考えると、ジュニア年代からベルマーレとして選手育成をしていくことも必要であると考え、強化特待クラスを設けて湘南ベルマーレのユニホームを着て大会に出始めました」
――クラブのホームタウン内で形成されたスクール内「トレセン」といったような感じですか?
浮嶋「はい。JFA・KFAの湘南地区全体のトレセンという形態はありませんので、スクール内という枠がつきますが、そういう位置付けでとらえるとわかりやすいかもしれません。あくまで私たちクラブのジュニアユース、ユース、そしてトップを目指している選手たちで編成しています」
――当然スクールなので、強化特待クラスの選手たちは所属するクラブがあります。そちらとは連携をはかっているのですか?
浮嶋「はい。クラブとして育成のために試合を組むことがありますので連携をとって行なっています。所属クラブにとっても選手が『ジュニアサッカーワールドチャレンジ』のような大会に出場して経験を積むことに、ご理解をしていただいています。練習や試合は所属クラブの試合と重ならないように努めています」
――選手たちは基本的に湘南地区の子どもたちですよね?
浮嶋「はい。数人は横浜の子がいますが、基本は通える範囲の子たちなので、湘南地区の子どもたちが多いです。ジュニア年代の課題の一つは指導者が仕事をしていて土日しか活動できないことです。だから、平日はスクールに通ってサッカーをしているんです。他の習い事と掛け持ちしてサッカーの練習をしている子たちも多いですが、経済的な理由からサッカーをやれない事情があったりもします。
そういう子たちは公園に行ってサッカーをやったりもしていますが、どうしても友達やサッカー仲間は自分と似た境遇の子たちに偏りがちになります。だから、経済的な面で負担をかけない『強化特待クラス』を設けたんです」
――活動する上で大事なことは所属クラブとの兼ね合いだと思います。特にサッカーをプレーする価値観を合わせることは難しいように感じますが。
浮嶋「たくさんのクラブがあるので、お互いに完全に合わせることは難しいです。でも、ジュニア年代は基本の積み上げが大事な時期です。オン(・ザ・ボール)とオフ(・ザ・ボール)の基本習得が中心になるので、むしろ重複することについては子どもたちのためになると考えています。
強化特待クラスに集まれば、それぞれ特徴を持った選手たちとプレーします。スピードがあって裏に抜けるのが上手いとか、フィジカルが強くて守備が上手いとか、自分とは異なる特徴を持った選手たちと切磋琢磨する場でサッカーをすれば基本の習得も違った形の吸収になるはずです。
そして、そこで個を磨いた選手たちがジュニアユースに進める仕組みを作っています。私たちはジュニアユースを3チーム持っていますので、3〜6年生で約40名いる強化特待クラスの選手たちは、どこかに入って欲しいと考えています。」
■ 第1回
「どうサッカーを捉え、指導に落とし込むか」
■ 第2回
「バルセロナとの戦いで、自分たちの課題をどう見たのか」
<関連リンク>
・U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2017
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