“認知-決断-実行”は同時に伸ばす。考える力を身につけることが「成長への一番の近道」【8月特集】
2018年08月28日
育成/環境いきなり8人制での実践は難しいから少人数でスタートする
――ジュニアサッカーの現場でも優秀な指導者は、小学校低学年ぐらいから2対2を丁寧に教えている方もいます。須賀さんと同じように2対2が基本になるとの考えをもっています。
須賀氏「現在のサッカーの育成現場でどのようなトレーニングが行われているか全てはわかりませんが、狭いコート、少ない人数で連続して同じプレーが起きるような練習メニューは自分の育成年代を振り返ってもありませんでした。フットサル自体がそういう設定になっているスポーツではあるけど、さらにトレーニングメニューがシュート練習でもシュート打ったらディフェンダーになって切り替え、それが終わったらすぐ列に並んで次はパサーになって、今度はまたシュートを打つ側に回るという飽きないサイクルを作ってオーガナイズします。そこに『認知-決断-実行』が絶対あるからプレーのクオリティも下げられないし、ディフェンダーがいるからオフ・ザ・ボールのマークを外す動きも入ってくると考えると、どんどん試合にリンクされていきます。
――90分という練習時間があった場合、技術ミスばかりに目に入ってしまって「これがやれるようになるまでは先に進まない」と結果的に技術練習だけの時間だけが伸びてしまって「認知-判断」を含んだゲーム要素の高い練習時間が削られるような指導現場もまだまだ多く見られます。
須賀氏「認知-決断-実行」を別々に考えず同時に伸ばすことが結果として成長への一番の近道だと思います。その中で選手が主体的に問題点に気付けたら自分でその課題に取り組むでしょう。
――多くのジュニアサッカーチームの試合を見に行くと、ハーフタイムを有効活用できていません。具体的にいうと、ハーフタイム中に前半の問題点について解決策を与えられないチームがまだまだ多いんです。
須賀氏「プレーモデルがないからではないでしょうか。プレーモデルがなくて、そこに基づく練習ができていないと試合のハーフタイムで問題を改善できないですからね。例えばフットサルにおける定位置攻撃時に3-1のフォーメーションで全くピヴォが前線に張れない状況になった場合、そこで2-2にフォーメーションチェンジをして前線の起点を2つに増やしてメリットを増やすわけです。その代わり、後方の選手はより広い範囲を任されることになり自陣で孤立してしまう可能性があるというデメリットがあります。それらを練習中に意識して取り組んでいれば後半は違う戦い方ができます。
プレーモデルを作る上で8人や11人制では難しいという方は、もっとスモールサイドから練習して行くと徐々に大きいピッチ、多い人数にスムーズに移行できて行くのではないかなと思います。
フットサルをプレーすることでそれが多くの方の解決策になることを祈っています。

フウガドールすみだ・須賀雄大強化本部長兼監督
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