応援してくれた、父、母、姉への感謝――。青森山田高・天笠泰輝が挑む最後の選手権/ユースプレーヤー成長記
2018年12月21日
コラム中村俊輔選手のキックのフォームを研究した
天笠選手のプレースタイルからボランチとしての資質を感じた太田南FC・石井正実監督は、相手の狙いを予測してボールを奪う動きや、相手をドリブルで誘い出してからパスを出すための動作を徹底的に指導した。天笠選手は石井監督をはじめ指導者のアドバイスを素直に受け入れセンスを磨いていった。また「どのスポーツでも走ることは基本」との父・太さんの考えから、小学1年生のときから陸上競技に取り組んでいた。群馬県内で開催されるジュニアのマラソン大会や駅伝に出場し好成績を残している。
大谷コーチは、天笠選手が加わったことで、チームメイトも自主的に練習に取り組むようになり、チーム力が底上げされるのを感じたという。
小学校の卒業とともに太田南FCを巣立った天笠選手は、群馬県の強豪クラブとして知られる前橋FCに入団する。決め手は「練習環境・競争相手・指導者」だった。
監督の湯浅英明氏は元Jリーガー。柏レイソルや大分トリニータでプレー経験を持つ。群馬県のトレセンでも指導していたことから、天笠選手を小学生の頃から知っていた。「左利きでしなやかなプレーをしていた」との印象を話す。前橋FCに入ってからも左利きを武器にして、ドリブルの推進力やパンチのあるキックも湯浅氏の目を引いた。
その頃、天笠選手が手本にしていたのは同じレフティーの中村俊輔選手(ジュビロ磐田)だった。動画を見てキックのフォームを研究した。「YouTubeにアップされていた俊輔選手の動画はほとんど見ました。蹴り方を調べて真似して蹴っていました。いくらか効果はあったんですけど……やっぱり近づけないですね(笑)」と教えてくれたことがある。
【ジュニア時代の天笠選手。この頃から、左足のキックは持ち味だった】
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