サッカーは「GKがつらい思いをし続けるスポーツ」。ジョアン・ミレッ氏が持つGK哲学【GKを準備する】
2019年06月21日
メンタル/教育

【世界的なGKコーチとして知られるジョアン・ミレッ氏】
「キーパー練習をする人」と「キーパーを準備する人」は別ものである
では、キーパーコーチの仕事とは何なのでしょうか? まずみなさんに知っておいてもらいたいのは「キーパー練習をする人」と「キーパーを準備する人」は、まったく違うということです。
簡単に説明すると「キーパー練習をする人」というのは「練習メニューをこなす人」のことです。グランドに来て「はい、蹴るよ」とボールを蹴り続ける人。
一方「キーパーを準備する人」というのは「このトレーニングには理由があり、なぜこれをやらなければならないのか、正しい『技術アクション』とはどういうものなのか」をちゃんと伝えられる人のことです。
この違いは大きな違いです。練習の意図などを伝えるうえで、キーパーコーチ自身が冷静に分析をし、感情をうまくコントロールできずに怒りに身を任せてしまった場合、選手に伝えたい言葉が伝わらない可能性が出てきてしまうからです。だから、心理学的な要素は「キーパーを準備する人」には必要不可欠なのです。
――信頼関係が成り立っていないと指導どころではないかもしれません。
私は自分が関わってきたキーパー全員を家族だと思っています。しかし、家族でも時には意図的に“強い言葉”を使って話をしなければならないときがあります。選手を目覚めさせるために厳しく言わなければならないときも訪れるんです。
例えば、キーパーが試合中にハイボールの処理をミスしました。別の試合でも同じミスをしました。同じミスです。でも、そのミスに至るまでのプレーの文脈は絶対に違いますよね。同じミスだけど、同じように言っていいものでしょうか。それは違いますよね? ミス自体は同じでも状況が違えば、別ものになります。「キーパーを準備する人」は、それをうまくコントロールする必要があり、それがすごく大事なんです。
――うまくコントロールするとは?
その状況において適切な言葉がけができているかどうか、ということですね。例えば同じミスだとしても、気が抜けていて起こったミスなのか、対処法を知らなくて起こったミスなのか? 適切に状況判断ができていなかったことによって起こったのか? 原因は同じではありません。
空気が読めるかどうかがすごく大事なんです。ミスが出るまでの環境や状況において、何をどのように選手に伝えるか、一番適切な言葉は何か、状況を読む必要があるのです。
仮にシュートを止めることに成功して失点につながらなかったとしても、その前のプレーにミスがあれば「ナイスキーパー!」とはならないのです。
気が抜けていたり、集中していない、またはやるべきことがわかっているのにやらなくて起こったミスに関して私は許しません。それがゴールに入らなかったとしてもです。なぜならそれは偶然で、次は確実にやられてしまうからです。
逆に失点してしまったけど、正しい技術アクションを行い、最後まで反応していた場合は「素晴らしいプレーだった」と評価できます。つまりシュートを止めた、止められなかっただけでプレーを評価してはいけないのです。
育成年代だと今はパワー不足や身長が足りないため、どうしてもゴールに入ってしまう場合もありますが、正しい技術アクションを行なっていけばいずれそのシュートは止められるようになります。
ところが正しい技術アクションの習得をしなければそのシュートはいつまでも入ってしまうのです。
もちろん、全てのシュートを100%防げるということはありません。私たち「ゴールキーパーを準備する人」はいかにゴールを決められる可能性を下げるかを追求し続けているのです。
ジョアン・ミレッ氏 監修『ジョアン・ミレッ 世界レベルのGK講座』2020/1/15発売!
<プロフィール>
ジョアン・ミレッ
1960年11月1日、スペイン・カタルーニャ州出身。選手としてスペイン2部でプレーしたのち、1985年にテラッサ(2部)の育成GKコーチに就任。2000~2012年までゲルニカ(4部)のトップから育成までのGKコーチを務めた。2013年に来日し、湘南ベルマーレのアカデミーGKプロジェクトリーダーを経て、2017~2018年までFC東京のトップチームGKコーチ。現在はJFL奈良クラブのアカデミーGKダイレクター。
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