「ボールコントロール=狙った通りにボールを扱うこと」ではない。状況判断を伴う技術とは

2018年06月22日

コラム

思ったところにトラップができない。大事な場面でトラップミスをしてしまう。そういった『ボールコントロール』に関する悩みは、サッカーをプレーしている多くのプレーヤーが感じることです。しかし逆を言えば、『ボールコントロール』さえ上手くなれば、サッカーがより楽しくプレーできるはずです。そこで今回は、ジュニサカでもおなじみの池上正さんに『ボールコントロール』の鍛えるトレーニング法などをお伺いしました。

構成・文●竹田聡一郎 写真●佐藤博之

ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.18』より一部転載

※この記事は、2015年4月3日に掲載されたものを再編集したものです。


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『ボールコントロール』と『状況判断』

「この雑誌を読まれている方、私もそうですが、小さい頃にボールコントロールの基本として最初に学んだのはインサイドキックではなかったでしょうか? 〈軸足を相手に向けて、蹴る足のくるぶしの下あたりでボールを押し出す〉なんて具合に。

 でもこれ、日本だけです。メッシやイニエスタは我々のようにインサイドキックを教えてもらっていません。上級生や、時には大人と真剣にサッカーで遊びながら得た技術なんです。

 彼らのように同じピッチで上級生のプレーを目の前で体験して『すごい。ああいうプレーをしたい』と憧れて真似してうまくなる。4種年代ではそれで十分でないでしょうか。グラウンドは何かを教えてもらう場所ではなく自分で何かを学ぶ場所だと僕は考えています。その意味でもいろんな子どもとゲームで触れ合うのは意味のあることですね」

――今日の練習はミニゲームのほかに2対1がメインでした。その意図はどこにあるのでしょうか?

「練習というより遊びに近いですけどね。2対1はボールコントロールをはじめ、バランスよくサッカーを学べる私のトレーニングには外せないファクターです。
 
 みなさんは技術、技術とおっしゃいますけど、サッカーでは技術と同時に判断も学ぶ必要があります。どんなに難しいボールを足元にピタっと止めるボールコントロール技術をもっていても、次に自分がどんなプレーをするか、そのためにはボールを待つのか、迎えにいくのか、あるいは動きながら受けるのかを判断できなくては技術も活かせません」

――ボールコントロールの前に状況判断があるべきだと?

「前後というよりも同時ですね。まず、日本のサッカーで『ボールコントロール』というと『ボールを狙ったとおりに止めること、狙った場所に蹴る・運ぶこと』といった固定観念が存在します。インサイドキック同様に『高いボールは胸』『腰あたりに来たらもも』でそれぞれトラップするといった類いのものですね。

 しかし、実際に試合で高いボールが来たとき、周囲には相手がいるかもしれない。そうしたら胸でコントロールしている時間はない。じゃあ、ヘディングでダイレクトにパスをしよう。そういった判断や選択、さらにそれを実行する一連の技術を含めて“ボールコントロール”と言ってしまってもいいかもしれません。
 
 そして、その両方が比較的、身につきやすいのが2対1のボールキープです。私はこのトレーニングを『サッカープレイパーク』の根底としていて、すでに何カ月か続けています。最近では1年生や2年生もキープするために顔を上げて、味方を探すクセがつきました。

 味方を確認してからドリブルかパスを選択することができるようになったのはプレイヤーとして大きな武器になるでしょう。次はゴールや攻撃方向、オフサイドを設置する。そういったステップがあります」

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