「お前なんか絶対に一流になられへん」。”努力家”本田圭佑の原点【前編】
2018年06月16日
コラムガンバ大阪のセレクションに合格
「田中先生から連絡を受けたのは圭佑が小6の1〜2月で、すでにジュニアユースのセレクションが終わった後。普通なら断るところでしたけど、田中監督が『こんな時期なんやけど、根性があってパンチ力のあるキックを蹴れる、ええのがおるんや。ぜひ見てくれ』と言ってくるなんて、よほどのことだと思ってOKしました。
すでに家長(昭博=現川崎フロンターレ)や松岡(康暢=元ガンバ大阪)が入ることが決まっていて、ちょっと厳しいかなと思ったけど、プレーを見たら、サッカーをよく知っている頭のいい子やとすぐにわかりました。
強引にドリブルで突破するとかじゃなく、周りを使ったり、引きつけてパスしたりと頭脳的な動きをする。センスがあるなと感じましたね。
田中先生には何度か圭佑を連れてきてもらいましたけど、2回目のときに2学年上のミニゲームに入ってもらいました。そのとき、150センチ台だった圭佑は175センチくらいある先輩FWと競り合って、相手を吹っ飛ばしました。体幹の強さや腰周りの強さが物凄くあるなと感じたのをよく覚えています」
こうしてJリーグのアカデミーに入ることが決まった。
「ガンバのセレクションには200〜300人は来たみたいですし、摂津FCの友達も受けたけど落とされました。僕が普通のセレクションもなしに入れたのは田中先生のおかげですね。本当に感謝しています」(本田)
自らのサッカー人生が劇的に変わろうとしていた。
【後編】人生最大の挫折――。本田圭佑がガンバユースに昇格できなかった本当の真相
<プロフィール>
本田圭佑(ほんだ けいすけ)
少年時代:摂津FC
中学時代:ガンバ大阪ジュニアユース
高校時代:星稜高校
1986年6月13日、大阪府摂津市生まれ。小学2年生からサッカーを始め、10代の頃から年度別代表で活躍してきた。高校3年生時 の高校選手権では、石川県勢初のベスト4進出に貢献した。在学中の2004年に名古屋グランパスの特別強化指定選手となり、卒業後は名古屋に入団し、1年目から試合に出場するなど、チームの中心選手として活躍。08年1月、オランダのVVVフェンロへ移籍。その年チームは2部に降格したが、翌シーズンは36試合に出場し、16ゴールを挙げる大活躍でチームを1部復帰へと導く。その後に移籍したCSKAモスクワでもチームの主力としてけん引。海外での活躍が評価され、ワールドカップ南アフリカ大会日本代表に選出されると、グループリーグ初戦のカメルーン戦で決勝点をあげるなど、ベスト16進出の原動力となる。14年1月に、イタリアの名門ACミランに完全移籍を果たした。 現在はメキシコのパチューカでプレーしている。
【商品名】僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代
【発行】株式会社カンゼン
【著者】元川悦子
四六判/256ページ
2014年5月30日発売
プロの道を切り拓いたの背景には、「家族」の温かい支えと、転機となる「恩師」「仲間」との出会いがあった。育成年代を追いつづけてきたサッカージャーナリスト・元川悦子氏による渾身の一冊!
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